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CFからの移行
更新: 2005年2月19日  


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注意:

このページはまだα版程度の完成度であり、不十分な記述や間違いがかなり 含まれていると思われます。ほんの参考程度にご覧下さい。
また、間違いの指摘や追加情報などもお待ちしています。


このページでは、wide 版 CF ツールの設定を Postfix のパラメータに 読み換えるための対応を示します。 Postfix の別機能で置き換えられるものも示してあります。

sendmail は非常に機能が豊富ですが、少ない機能の設定の組み合わせで 実現できることも少なくありません。Postfix は sendmail ほど機能は 多くありませんが、機能を組み合わせることでかなりの部分の動作を 網羅できます。Postfix の機能はそれぞれのマニュアルや設定のサンプルを ご覧下さい。

まずはデフォルトの設定+最小限の変更で Postfix を動かしてみることを お勧めします。どうしても必要な変更点のみ以下の表を参考にしてください。 特に、セキュリティ関連のパラメータの概念が異なる点が多いので、 sendmail の制限をそのまま持ち込むと問題になる可能性が高いです。 Postfix での SPAM 対策Postfix Q & APostfix FAQ 日本語訳 なども参考にしてください。実際の設定などで不明な点は Postfix-JP メーリングリスト も御利用下さい。


主な相違点


CF の設定項目との互換性

○: 互換性あり・他の機能の組み合わせなどで置換え可、 △:一部互換、×:互換性なし・設定不可(機能選択できないものも含む)


目次: (CF の MANUAL の順になっています)

CF および sendmail.cf 自体に関する設定
変数名互換性詳細
MASTERDIR
TOOLDIR
CF_TYPE
PROTO
FEATURE
DEFAULT_FILE
DEFAULT_REVISION_ID
DEF_ID
VERSION
VERSION_SEPARATOR
LOCAL_VERSION
OS_TYPE
× Postfix では CF / sendmail.cf に関する設定は行なえません。

sendmail の種別の設定 [general]
変数名互換性詳細
MX_SENDMAIL × DNS 検索の停止($disable_dns_lookups) は可能

ホスト名に関する設定 [general]
変数名互換性詳細
MY_DOMAIN $mydomain で設定
MY_NAME $myhostname で FQDN を設定。
OFFICIAL_NAME $myhostname を使用。 これと別には設定できない。
MY_ALIAS $mydestinationで設定。 アドレスの書き換えが必要なら $recipient_canonical_map を使います。virtual ドメインはここに書いてはいけません(参照)。
USE_cw_FILECLASS
cw_FILE_PATH
$mydestination でファイル名も設定可。 USE_cw_FILECLASSoptional はサポートされない。
ACCEPT_OFFICIAL 基本的に受理するドメイン・ホスト名は $mydestinationで設定。
ALIAS_REWRITE ヘッダアドレスの書き換えが必要ならば $recipient_canonical_maps を使う。

etable class="cf" border="1" width="90%" summary="address rewriting setting"> 使用されるアドレスに関する設定 [address] 変数名互換性詳細 LOCAL_ADMIN_USERS
LOCAL_USERS$sender_canonical_maps を使用してユーザのアドレスを書き換えます。 FROM_ADDRESS ○ 通常は $myorigin が使われます。$mydestination に含まれない アドレスを From: に設定するには、$sender_canonical_maps を使います。 RECIPIENT_GENERICuser 形式から user@$mydomain 形式に変換するには $append_at_myoriginyes とします。$myorigin 以外のドメインを付加するには $recipient_canonical_maps を使います。

アドレスの書き換えに関する設定 [address]
変数名互換性詳細
REWRITE_GENERIC_FROM $sender_canonical_maps を使います。
REWRITE_GENERIC_TO $recipient_canonical_maps を使います。
REWRITE_LOCAL_ON_RELAY $sender_canonical_maps および virtual(5) を 使います。strip に対応させるには 正規表現 も必要(?)

特定のユーザのためのアドレスに関する設定 [specialfrom]
変数名互換性詳細
SPECIAL_FROM
SPECIAL_USERS
SPECIAL_USER_HEAD
SPECIAL_USER_TAIL
SPECIAL_FROM_REWRITE
$sender_canonical_maps を使います。HEAD/TAIL に対応させるには 正規表現 を使う必要があります。
SPECIAL_ACCEPTABLE_USERS
SPECIAL_ACCEPTABLE_USER_HEAD
SPECIAL_ACCEPTABLE_USER_TAIL
virtual(5) を使います。HEAD/TAIL に対応させるには 正規表現 を使う必要があります。
ERROR_NOT_ACCEPTABLE_USERS
○? virtual(5)正規表現 でおそらく設定は可能(?)

ネームサーバによるアドレスの補完に関する設定 [canon]
変数名互換性詳細
CANON
NO_CMPLT_DOMS
CANON_ENVELOPE
× DNS 参照によるアドレスの補完は(たぶん)使えません。$append_dot_mydomain により user@hostuser@host.$mydomain にすることや canonical(5) テーブルを用いて対応づけをすることは可能です。

メールの受信に関する設定 [acceptaddr]
変数名互換性詳細
ACCEPT_ADDRS $mydestination で設定。
USE_aa_FILECLASS
aa_FILE_PATH
$mydestination で設定。 option は使えません。
ACCEPT_LOWER
LOWER_MATCH_STYLE
lw_FILE_PATH
LOWER_NAMES
○? any であれば $mydestination で設定(参照)。lw-file$mydestination にファイル名を設定。 !lw-file および one正規表現 でおそらく設定は可能(?)
ACCEPT_BESTMX main.cf
  best_mx_transport = local
を指定します。
BESTMX_DOMAINS × best_mx_transport の範囲指定は(おそらく)できません。

ハブホストの指定 [hub]
変数名互換性詳細
HUB_HOST
REMOTE_USERS
virtual(5) で設定する。
RELAY_LOCAL_TO_HUBHOST $append_myoriginno に設定した上で、$virtual_maps正規表現 を使えば設定可能です。 virtual にローカルで処理すべき alias データベース内のローカルユーザや ML のアカウントを 書き忘れないように。
WITH_HUB_ADDR $mydestination に含まれないドメイン名・ホスト名に書き換えるのであれば virtual(5) に設定することで可能。
IGNORE_HUB_MX $disable_dns_lookups で全面的に DNS の検索を止めるか、IP アドレスを指定するか、transport(5) でドメイン 名を
  hub.host.name smtp:[hub.host.name]
の形で定義します。ただし、最後の形式の場合、全ての spool 宛のメールが MX を参照せずに送られるので、これを回避するには
  spool-nomx.host.name smtp:[spool.host.name]
と新たなドメイン名を transport で使い、spool 側の $mydestinationspool-nomx を加えれば よいでしょう。
LOCAL_STICKY virtual(5) で設定する。

スプールホストの指定 [spool]
変数名互換性詳細
SPOOL_HOST
ALIASED_USERS
ADMIN_STICKY
virtual(5) で設定する。 -o によるファイルのオプション指定は不可。
SPOOL_HOST_ADDR transport(5) でドメイン 名を
  spool.host.name smtp:[spool.host.name]
の形で定義します。ただし、最後の形式の場合、全ての spool 宛のメールが MX を参照せずに送られるので、これを回避するには
  spool-nomx.host.name smtp:[spool.host.name]
と新たなドメイン名を transport で使い、spool 側の $mydestinationspool-nomx を加えれば よいでしょう。
WITH_SPOOL_ADDR $mydestination に含まれないドメイン名・ホスト名に書き換えるのであれば virtual(5) に設定することで可能。
IGNORE_SPOOL_MX $disable_dns_lookups で全面的に DNS の検索を止めるか、IP アドレスを指定するか、transport(5) でドメイン 名を
  hub.host.name smtp:[hub.host.name]
の形で定義します。ただし、最後の形式の場合、全ての spool 宛のメールが MX を参照せずに送られるので、これを回避するには
  spool-nomx.host.name smtp:[spool.host.name]
と新たなドメイン名を transport で使い、spool 側の $mydestinationspool-nomx を加えれば よいでしょう。

セカンダリメールマスタになるための設定 [secondary]
変数名互換性詳細
SECONDARY_DOMAIN
SECONDARY_USERS
$smtpd_recipient_restrictionspermit_mx_backup を追加すると、ドメインマスターが 復活した時にリレーするためにメールを一旦受け取ります。 一部のユーザのみをセカンダリサーバで処理するには、virtual(5) マップに 記述します。 特にセカンダリとなるべきドメイン名は必要ありません。
USE_SECONDARY_DOMAIN_FROM $sender_canonical_maps を使います。
USE_SECONDARY_DOMAIN_TO $recipient_canonical_maps を使います。

静的定義によるアドレスの書き換えに関する設定 [alias]
変数名互換性詳細
ADDRESS_ALIAS_FILE ヘッダの書き換えには canonical(5) マップ、 エンベロープの書き換えには virtual(5) マップを使います。どちらも 正規表現 の利用が可能です。

マップファイルによるアドレスの補完に関する設定 [domaintable]
変数名互換性詳細
DOMAINTABLE ヘッダの書き換えには canonical(5) マップ、 エンベロープの書き換えには virtual(5) マップを使います。どちらも 正規表現 の利用が可能です。単にドメインを 付加することを禁止するには $append_dot_mydomainno にします。

一語ホストアドレスの配送制御 [one-token]
変数名互換性詳細
ONE_TOKEN_HOST $smtpd_recipient_restrictionsreject_non_fqdn_recipient を使い、FQDN 形式でない アドレスを拒否できます。また deliver-ignmx を実現するには、 $append_dot_mydomainno にした上で transport(5) にホスト名を [ ] 付きで指定します。

ソースルーティングアドレスによる転送の拒否機能 [nosourceroute]
変数名互換性詳細
REJECT_SOURCE_ROUTE_RELAY $allow_untrusted_routing で設定します(デフォルトで拒否)。

リダイレクトメッセージ機能 [redirect]
変数名互換性詳細
REDIRECT user@domain.REDIRECTrelocated(5) マップを使用。 user@domain.FORWARD の方法は こちらを参照。

漢字コードの変換 [kanji]
変数名互換性詳細
KANJI_CONVERSION
KANJI_J_USERS
KANJI_S_USERS
KANJI_E_USERS
KANJI_N_USERS
× Postfix は漢字コード変換の機能を持っていません。 ローカルメーラとして漢字コード変換フィルタを持つものを 利用する必要があります。拡張アドレス (+ を利用するアドレス) を使って、.forward+ext で漢字コード変換フィルタを通してから procmail を使う方法もあるでしょう。

ローカルメールのアドレス書き換え [mailer]
変数名互換性詳細
ALWAYS_APPEND_DOMAIN
RELAY_FROM_RAW
$append_dot_mydomain で指定します。またはヘッダの書き換えには canonical(5) マップ、 エンベロープの書き換えには virtual(5) マップを使います。どちらも 正規表現 の利用が可能です。

標準のメーラに関する設定 [mailer]
変数名互換性詳細
LOCAL_MAILER_PATH $mailbox_command で指定します。
LOCAL_MAILER_FLAG_BASE
LOCAL_MAILER_FLAG_ADD
LOCAL_MAILER_FLAG_SUB
× Postfix ではローカルメーラにフラグは利用できません。
LOCAL_MAILER_ARGS $mailbox_command でコマンドのパスと同時に指定します。
LOCAL_MAILER_MAXLINE
LOCAL_MAILER_MAXSIZE
× ローカルメーラのみの制限はできません。全体の制限は$line_length, $message_size_limit を参照。
LOCAL_MAILER_OPTS × ローカルメーラのオプションはありません。
PROG_MAILER_PATH $local_command_shell で指定します。通常は Postfix が直接コマンドを呼び出します。
PROG_MAILER_FLAG
PROG_MAILER_FLAG_ADD
PROG_MAILER_FLAG_SUB
× Postfix ではプログラムメーラにフラグは利用できません。
PROG_MAILER_ARGS $local_command_shell でコマンドのパスと同時に指定します。
PROG_MAILER_MAXLINE
PROG_MAILER_MAXSIZE
× コマンドへの配送のみの制限はできません。全体の制限は$line_length, $message_size_limit を参照。
PROG_MAILER_OPTS × コマンドへの配送にオプションはありません。
SMTP_MAILER_FLAG
SMTP_MAILER_FLAG_ADD
SMTP_MAILER_FLAG_SUB
ESMTP_MAILER_FLAG
ESMTP_MAILER_FLAG_ADD
ESMTP_MAILER_FLAG_SUB
8SMTP_MAILER_FLAG
8SMTP_MAILER_FLAG_ADD
8SMTP_MAILER_FLAG_SUB
× Postfix では (E)SMTP 配送にフラグは利用できません。
(Postfix はデフォルトで 8bit を通します。また、SMTP と ESMTP は 設定上区別しません)
SMTP_MAILER_MAXLINE
SMTP_MAILER_MAXSIZE
ESMTP_MAILER_MAXLINE
ESMTP_MAILER_MAXSIZE
8SMTP_MAILER_MAXLINE
8SMTP_MAILER_MAXSIZE
× (E)SMTP 配送のみの制限はできません。全体の制限は$line_length, $message_size_limit を参照。
SMTP_MAILER_OPTS
ESMTP_MAILER_OPTS
8SMTP_MAILER_OPTS
× (E)SMTP 配送にオプションはありません。
RELAY_MAILER_FLAG
RELAY_MAILER_FLAG_ADD
RELAY_MAILER_FLAG_SUB
RELAY_MAILER_MAXLINE
RELAY_MAILER_MAXSIZE
RELAY_MAILER_OPTS
× Postfix ではリレーは実際の配送方法 (SMTP など) の設定に準じます。
M_SMTP × Postfix では指定できません。

特殊なローカルアドレスの配送定義 [localdeliver]
変数名互換性詳細
PLUSSED_USERS
PLUSSED_SEPARATOR
$recipient_delimiter にセパレータをセットします。一部のユーザのみ使えるようにするには $smtpd_recipient_restrictions正規表現 を使って制限するしかなさそうです。 また、ワイルドカードは使えません。
PLUSSED_ADDRS
PLUSSED_ADDRS_MATCH
PLUSSED_ORDER
ヘッダの書き換えには canonical(5) マップ、 エンベロープの書き換えには virtual(5) マップを使います。どちらも 正規表現 の利用が可能です。

外部メーラ定義 [external]
変数名互換性詳細
EXTERNAL_MAILER_PATH
EXTERNAL_MAILER_FLAG
EXTERNAL_MAILER_ARGS
master.cf で定義します。
EXTERNAL_MAILER_MAXSIZE
EXTERNAL_MAILER_MAXLINE
× 外部メーラのみの制限はできません。全体の制限は$line_length, $message_size_limit を参照。

複数のドメインごとに定義されたユーザへの配送 [separate]
変数名互換性詳細
PSEUDO_POP_DOMAIN
POPDOM_MAILER_PATH
POPDOM_MAILER_FLAG
POPDOM_MAILER_ARGS
△? virtual(5)Cyrus IMAP server を併用すれば実現可能(?) $mailbox_command または $mailbox_transport$fallback_transport などで cyrus を使用するように設定します。transport に cyrus を指定する場合には、コマンドや引数、フラグなどは全て master.cf に設定します。
POPDOM_MAILER_MAXSIZE
POPDOM_MAILER_MAXLINE
× 一部の配送方法のみの制限はできません。全体の制限は$line_length, $message_size_limit を参照。

POP 経由で組織的メール配送をおこなう [pop-feed]
変数名互換性詳細
USE_POPFEED
POPFEED_MAILER_PATH
POPFEED_MAILER_FLAG
POPFEED_MAILER_ARGS
△? virtual(5)拡張アドレスの利用を利用する(?) おそらく Delivered-To: ヘッダが有効。他のヘッダを付けたい場合には ローカルメーラを標準のものから換えるか、snapshot 版で利用できる フィルタ機能を使用します。新たな transport の定義も可能。
POPFEED_MAILER_MAXSIZE
POPFEED_MAILER_MAXLINE
× 一部の配送方法のみの制限はできません。全体の制限は$line_length, $message_size_limit を参照。

BITNET 配送設定 [bitnet]
変数名互換性詳細
BITNET
BITNET_RELAY
△? master.cf および transport(5) を使って設定する(?)

DECNET 配送設定 [decnet]
変数名互換性詳細
DECNET
DECNET_RELAY
△? master.cf および transport(5) を使って設定する(?)

JUNET 配送拒否設定 [junet]
変数名互換性詳細
REJECT_JUNET △? 別途自動応答スクリプトや snapshot のフィルタ機能などを使う必要がある。

UUCPに関する設定 [uucp]
変数名互換性詳細
UUCP_GW
UUCP_HOST_NAME
UUCP_NEIGHBORS
SYSNAME_ALIASES
EXTENDED_UUCP_ADDR_CONV
UUCP_RELAY
CANON_UNKNOWN_UUCP
NEED_SOMEWHERE_HACK
○? 詳細は Postfix パッケージに含まれる UUCP_README ファイルを 参照。
UUCP_MAILER_PATH
UUCP_MAILER_FLAG
UUCP_MAILER_FLAG_ADD
UUCP_MAILER_FLAG_SUB
UUCP_MAILER_ARGS
master.cf で定義します。
UUCP_MAILER_MAXSIZE × 一部の配送方法のみの制限はできません。全体の制限は$message_size_limit を参照。

特定の方面に対して別のメールアドレスを 利用するときの設定 [another_addr]
変数名互換性詳細
ANOTHER_ADDRESS
REWRITE_MYNAME_TO_ANOTHER_ADDRESS
REWRITE_ACCEPT_ADDRS_TO_ANOTHER_ADDRESS
× Postfix を2つ以上立ち上げるか、フィルタを通す必要がある。
(ソース IP を変えるには snapshot-20000507 以降のバージョンで smtp_bind_address を指定します)

mailtonews gateway に関する設定 [netnews]
変数名互換性詳細
NEWS_GATEWAY
NEWS_GROUPS
NEWS_SUFFIX
NEWS_MAILER_PATH
NEWS_MAILER_FLAG
NEWS_MAILER_ARGS
NEWS_MAILER_MAXLINE
NEWS_MAILER_MAXSIZE
× Postfix には mail to news gateway の機能は組み込まれて いません。master.cftransport(5) の設定を適切に行なうか、alias から mailtonews を起動するように 設定すればよいかも。

user@[IPアドレス] 形式アドレスの扱いに関する設定 [numeric]
変数名互換性詳細
RES_NUMERIC user@[12.34.56.78] 形式のアドレス宛のメールの制御は $inet_interfaces で設定します。これをネームサーバの逆引きによって user@host.domain に書き換えることはできません。
DELIVER_NUMERIC ×? Postfix では [ip.addr] 宛のメールの送信を禁止したり strip したり出来ません(?)

中継経路の指定 [route]
変数名互換性詳細
ROUTE_ADDRESS_FILE △? transport(5) マップにドメインと次の中継ホストの対応を記述する。 main.cf への直接の記述は不可。

静的配送先設定 [deliver]
変数名互換性詳細
STATIC_ROUTE_FILE △? transport(5) マップにドメインと配送先、配送方法の対応を記述する。 配送に失敗した場合の個別に配送先指定はできない。 ALIAS 指定によるエンベロープの書き換えは virtual(5) マップで行なう。 main.cf への直接の記述は不可。
USE_EXTENDED_NAMES ×? クラスやマクロの使用による指定はできない(?)

マップファイルによる配送先設定 [mailertable]
変数名互換性詳細
MAILERTABLE transport(5) マップで指定します。

NIS参照による配送 [nis.hosts]
変数名互換性詳細
NIS_LOOKUP_DELIVER △? システムの名前解決に依存します(?)

デフォルトの配送先に関する設定 [indirect]
変数名互換性詳細
DIRECT_DELIVER_DOMAINS
DIRECT_DELIVER_MAILER
△? 特に指定する場合には transport(5) に記述します。
DEFAULT_RELAY $relayhost に1つだけ指定できます。バックアップホストは $fallback_relay で指定可能ですが、これは他の配送できない場合にも使われます。

エラーメッセージ出力用テンプレート [error]
変数名互換性詳細
USE_DEFAULT_ERROR_MESSAGES $smtpd_recipient_restrictions などにマップを定義することで、特定のヘッダなどに対する エラーメッセージを変更できます。正規表現の使用例を参考にして下さい。 通常の error メーラのメッセージは(おそらく)変更できません。

ユーザ名の書き換え/ユーザ単位のスプールの指定 [usertable]
変数名互換性詳細
USERTABLE_MAPS virtual(5) マップに定義します。マップ名は $virtual_maps に指定。
USERTABLE_LOCAL_REWRITE
USERTABLE_RECIPIENT_REWRITE
canonical(5) マップを使用します。

その他 [option]
変数名互換性詳細
TRUSTED_USERS
TRUSTED_USERS_FILE_PATH
× Postfix に trusted users の概念はありません。 sendmail -f オプションは誰でも利用可能です。
FORMAT_RECEIVED × 現在のところサポートされていません (TODO に入っています)。$header_checks マップで ignore 指定することで Received: ヘッダを全て取り去ることが可能です。

misc.
ルール変数名互換性詳細
Dq TOTAL_NAME × 指定できません (user@domain (Full Name) 形式を使用)。
De SMTP_LOGIN_MESSAGE
SMTP_GREETING_MSG
$smtpd_banner で指定します。時間などのマクロは指定できません。
O7/SevenBitInput SEVEN_BIT_INPUT × Postfix は 8bit スルーです。メールボディを 7bit にするためには Postfix の配布サイトから 7bit-smtp-19990506-patch.gz を取得してソースにパッチを当てる必要があります。
O EightBitMode EIGHT_BIT_HANDLING × 8bit のまま通すことしかできません。
OA/AliasFile ALIAS_FILE_PATH $alias_database および $alias_maps で指定します。
NIS_ALIAS_MAP $alias_maps でマップ形式を nis: として指定します。
Oa/AliasWait ALIAS_WAIT × 指定できません。 変更をすぐに反映するには postfix reload を実行します。
OB/BlankSub BLANK_SUB ?
Ob/MinFreeBlocks MIN_FREE $queue_minfree で指定します。
OC/CheckpointInterval CHECKPOINT_INTERVAL × 回数によるトリガは指定できません。
Oc/HoldExpensive CON_EXP $qmgr_fudge_factor により使用するリソースの割合を定義することが出来ます。 配送を見送ることは (おそらく) できません。
OD/AutoRebuildAliases AUTO_REBUILD ×? 自動的に alias マップを更新することはできません(?)
Od/DeliveryMode DELIVERY_MODE × 配送モードを変更することは出来ません。
OE/ErrorHeader ERROR_MSG_FILE_PATH × エラーメッセージを変更することはできません。
Oe/ErrorMode ERROR_MODE ?
OF/TempFileMode TEMP_FILE_MODE × ファイルのモードを定義することはできません。
Of/SaveFromLine SAVE_FROM_LINES ×? UNIX スタイルの "From_" 行は無視できません(?)。
OG/MatchGECOS MATCH_GECOS ?
Og DEF_GID ×? passwd によって定義されたユーザ postfix の GID を使います。
OH/HelpFile HELP_FILE_PATH × Postfix にはヘルプファイルは存在しません。
Oh/MaxHopCount MAX_HOP $hopcount_limit に定義します。
OI/ResolverOptions BIND_OPTS ×? $disable_dns_lookups で DNS 検索を禁止することしかできません。
Oi/IgnoreDots IGNORE_DOTS × Postfix smtpd はホスト名の最後のドットを削ります。
OJ/ForwardPath FORWARD_FILE_PATH $forward_path に定義します。
Oj/SendMimeErrors MIME_FORMAT_ERRORS × Postfix はマルチパートの MIME エラーメッセージを送信します。
OK/ConnectionCacheTimeout MCI_CACHE_TIMEOUT ×(?) Postfix では smtp 接続の再利用はしません(?)
Ok/ConnectionCacheSize MCI_CACHE_SIZE $smtp_destination_concurrency_limit で制限します。
OL/LogLevel LOG_LEVEL postfix コマンドの -v オプションや $debug_peer_level$debug_peer_list でログレベルを増加することができます。
Ol/UseErrorsTo USE_ERRORS_TO × Postfix は Errors-To: ヘッダがあれば、 そのアドレスにエラーメッセージを返します。
Om/MeToo ME_TOO × Postfix は aliases の展開から発信者を削ることはできません。
On/CheckAliases CHECK_ALIASES ×? newaliases 時の alias 先のチェックは(たぶん)おこないません。
OO/DaemonPortOptions DAEMON_OPTIONS ×? オプションは基本的に main.cf に記述します。 デーモンのポートは /etc/services および master.cf の対応により決まります。
Oo/OldStyleHeaders OLD_STYLE_HEADERS × ヘッダアドレスを空白にする古い形式は、(たぶん) カンマ区切りに変換されて送信されます。
OP/PostMasterCopy COPY_ERRORS_TO $bounce_notice_recipient$2bounce_notice_recipient$delay_notice_recipient$error_notice_recipient の各パラメータに定義します。
Op/PrivacyOptions PRIVACY_FLAGS EXPN, VERB コマンドは使用できません。VRFY コマンドの使用の可否は $disable_vrfy_command で指定します。ETRN コマンドの制限は $smtpd_etrn_restrictions に指定します。mailq および sendmail -q を一般ユーザ使用禁止にはできません。コマンドの発行前に HELO を要求するには $smtpd_helo_requiredyes にします (それぞれのコマンドに個別に設定することはできません)。 Return-Receipt-To: ヘッダは...(?)
OQ/QueueDirectory QUEUE_DIR $queue_directory に指定します。
Oq/QueueFactor QUEUE_FACTOR × Postfix は評価式による決定は行ないません。
OR/DontPruneRoutes NO_STRIP_ROUTE × Postfix は常にエラーメール返送先のルートアドレスを削除します。

misc. (Time Out)
ルール変数名互換性詳細
Or/Timeout READ_TIMEOUT 詳細は以下のパラメータ参照
TIMEOUT_INITIAL × このタイムアウトはありません。
TIMEOUT_HELO $smtp_helo_timeout に設定します。
TIMEOUT_MAIL $smtp_mail_timeout に設定します。
TIMEOUT_RCPT $smtp_rcpt_timeout に設定します。
TIMEOUT_DATAINIT $smtp_data_init_timeout に設定します。
TIMEOUT_DATABLOCK $smtp_data_xfer_timeout に設定します。
TIMEOUT_DATAFINAL $smtp_data_done_timeout に設定します。
TIMEOUT_CONNECT $smtp_connect_timeout に設定します。
TIMEOUT_RSET × このタイムアウトはありません。
TIMEOUT_QUIT $smtp_quit_timeout に設定します。
TIMEOUT_MISC
TIMEOUT_COMMAND
TIMEOUT_IDENT
TIMEOUT_FILEOPEN
× このタイムアウトはありません。
TIMEOUT_QUEUERETURN $maximal_queue_lifetime に設定します。
TIMEOUT_QUEUERETURN_NORMAL
TIMEOUT_QUEUERETURN_URGENT
TIMEOUT_QUEUERETURN_NON_URGENT
× このタイムアウトはありません。
TIMEOUT_QUEUEWARN $delay_warning_time に設定します。
TIMEOUT_QUEUEWARN_NORMAL
TIMEOUT_QUEUEWARN_URGENT
TIMEOUT_QUEUEWARN_NON_URGENT
× このタイムアウトはありません。
TIMEOUT_MCI_INFO ×? Postfix では MCI 情報を使いません(?)

misc.
ルール変数名互換性詳細
OS/StatusFile STAT_FILE_PATH × Postfix では統計情報を使いません。
Os/SuperSafe SAFE_QUEUE ×? (おそらく) Postfix は必ずメールをキューに書き込みます。
OT MSG_TIMEOUT $maximal_queue_lifetime および $delay_warning_time に設定します。
Ot/TimeZoneSpec TIME_ZONE ×? Postfix では TZ 環境変数を参照します。
OU/UserDatabaseSpec USER_DATABASE_FILE_PATH $local_recipient_maps に定義します。
Ou/DefaultUser DEF_UID × ユーザ postfix の UID を使います。
OV/FallbackMXhost FALLBACK_MX 他のエラーも含めて配送できなかったものは $fallback_relay に送ることができます。
Ow/TryNullMXList TRY_NULL_MX_LIST ×? Postfix はこの機能を持っていません(?)
OX/RefuseLA LOAD_REFUSE × Postfix は評価式による決定は行ないません。
Ox/QueueLA LOAD_QUEUE × Postfix は評価式による決定は行ないません。
OY/ForkEachJob SEPARATE_PROC × Postfix は常に別々のプロセスによって配送します。
Oy/RecipientFactor WORK_RECIPIENT_FACTOR × Postfix は評価式による決定は行ないません。
OZ/RetryFactor WORK_TIME_FACTOR × Postfix は評価式による決定は行ないません。
Oz/ClassFactor WORK_CLASS_FACTOR × Postfix は評価式による決定は行ないません。
O QueueSortOrder QUEUE_SORT_ORDER × キューの処理の優先順は指定できません。
O MinQueueAge MIN_QUEUE_AGE $min_backoff で指定します。
O DefaultCharSet DEF_CHAR_SET × Postfix は charset ラベルに関与しません。
O ServiceSwitchFile SERVICE_SWITCH ×? (たぶん) システムのデフォルトに従います。
O HostsFile HOSTS_FILE_PATH × (たぶん) システムのデフォルトに従います。
O DialDelay DIAL_DELAY × Postfix は回線の種類による制御はできません。
O NoRecipientAction NO_RECIPIENT_ACTION × cleanup(8) デーモンによりいくつかのヘッダが付加されます。
O SafeFileEnvironment FILE_ENV master.cf で chroot を指定すると、$queue_directory が chroot 先のディレクトリとなります。
O ColonOkInAddr COLON_OK_IN_ADDR △? $smtpd_recipient_restrictions正規表現マップを定義することで ":" を含むアドレスを拒否することは可能。
O MaxMessageSize MAX_MSG_SIZE $message_size_limit 指定します。
O MaxQueueRunSize MAX_QUEUE_RUN $qmgr_message_active_limit で指定します。
O DontExpandCnames DONT_EXPAND_CNAME × Postfix は CNAME を必ず本名に書き換えます。
O SmtpGreetingMessage SMTP_GREETING_MSG $smtpd_banner で指定します。
O UnixFromLine UNIX_FROM_LINE ×? UNIX From 行のカスタマイズはできません(?)
O OperatorChars OPERATOR_CHARS ×? Postfix ではメールアドレスのデリミタ文字は不要(?)
O DontInitGroups DONT_INIT_GROUPS ×?
O SingleLineFromHeader SINGLE_LINE_FROM ×?
O AllowBogusHELO ALLOW_BOGUS_HELO $smtpd_helo_restrictions で指定します。
O ConnectionRateThrottle CONN_RATE × デーモンの最大数以外は指定できません。
O UnsafeGroupWrites UNSAFE_GROUP_WRITES × Postfix では危険だとみなしません。
O DoubleBounceAddress DOUBLE_BOUNCE $2bounce_notice_recipient に指定します。
O HostStatusDirectory HSTAT_DIR × 過去の配送状態はメモリ内に短期間保持します。
O SingleThreadDelivery SINGLE_THREAD_DELIVERY $smtp_destination_concurrency_limit1 にします。
O RunAsUser RUN_AS_USER ×? 基本的にはユーザ postfix がほとんどの処理をおこないます。 これ以外の設定は不可?
O MaxDaemonChildren MAX_DAEMON_CHILDREN $default_process_limit で指定します。
O MustQuoteChars MUST_QUOTE_CHAR ×?
O DontBlameSendmail DONT_BLAME_SENDMAIL ×?
O DontProbeInterfaces DONT_PROBE_INTERFACE ×? Postfix はインターフェースに割り振られたアドレスから ホスト名を取得しません。
O MaxRecipientsPerMessage MAX_RCPT_PER_MSG $smtpd_recipient_limit で指定します。

ESMTP peers [brokensmtp]
変数名互換性詳細
ESMTP_PEERS × クライアントによって 応答メッセージを変えることはできません。

IDENT peers [ident]
変数名互換性詳細
IDENT_PEERS ×? IDENT はサポートしていません(?)

ローカルハック [localhack]
変数名互換性詳細
LOCALHACK_FILE × 設定は全て main.cf に記述します。

メールの転送制限 [smtpcheck]
変数名互換性詳細
MAIL_RELAY_RESTRICTION × この機能を切ることはできません。
WITH_OLD_CF × Postfix は sendmail.cf を扱うことはできません。

SMTP 接続に関する制限
変数名互換性詳細
CHECK_HOST_ALLOW
CHECK_HOST_DENY
CHECK_RELAY_DEFAULT
$smtpd_client_restrictions で指定します。

SMTP 接続および発信者アドレスに関する制限
変数名互換性詳細
SPAM_LIST
SPAM_REGEX
$smtpd_client_restrictions で指定します。
USE_MAPS_RBL $maps_rbl_domains で RBL ドメインを指定し、$smtpd_client_restrictionsreject_maps_rbl を追加します。
NEED_SENDER_DOMAIN
CHECK_FROM_FQDN
$smtpd_sender_restrictionsreject_non_fqdn_hostname を追加します。 細かい指定には正規表現が使えます。
USE_SENDER_DNS_CHECK MX/A レコードがあるかチェックするには $smtpd_sender_restrictionsreject_unknown_sender_domain を指定します。 メールが到達可能かのチェックはできません。

受信メールの送信元ホストが組織外か組織内かの判定
変数名互換性詳細
LOCAL_HOST_IPADDR $mynetworks に定義します。
LOCAL_HOST_DOMAIN × ホスト名の定義はできません。
CLIENT_HOST_IPADDR $mynetworks および $relay_domains に定義します。クライアントのみの制限をすることはできません。
CLIENT_HOST_DOMAIN $smtpd_client_restrictionscheck_client_access にマップを指定します。
CLIENT_FROM_DOMAIN $smtpd_sender_restrictionscheck_sender_access にマップを指定します。

組織内からのメールの転送可否判定
変数名互換性詳細
CLIENT_DENY_TO $smtpd_recipient_restrictionscheck_recipient_access にマップを指定します。
RELAY_MAP_INSIDE $relay_domains にマップを指定します。

組織外からのメールの転送可否判定
変数名互換性詳細
ALLOW_RECIPIENT_DOMAIN $smtpd_recipient_restrictionscheck_recipient_access にマップを指定します。
ALLOW_RELAY_FROM
ALLOW_RELAY_TO
$relay_domains に定義します。一方(From/To)のみの制限をすることはできません。
LOWER_MX_OK $smtpd_recipient_restrictionspermit_mx_backup を指定することにより、MX プライマリ サーバへの中継が許可されます。
RELAY_MAP $relay_domains にマップを指定します。
ROAM_HOST_IPADDR
ROAM_HOST_DOMAIN
ROAM_USERS
△? エンベロープの送信者アドレスを 改竄することはできません。アドレスによる中継の制限は$smtpd_sender_restrictionscheck_sender_access にマップを指定することで可能です。
REJECT_EXTERN_SRR $allow_untrusted_routing で指定します。
HDR_REJECT_BADMID $header_checks正規表現マップを指定することで可能です。
HDR_REJECT_RCPTADDRS $smtpd_recipient_restrictions にマップを指定します。
HDR_REJECT_ACTION ×? Postfix では(たぶん)エラーメールが返送されます。
CHECK_RELAY ×? Postfix では SMTP コネクションを拒否することはできません。
CHECK_MAIL $smtpd_sender_restrictionscheck_sender_access にマップを指定します。
CHECK_RCPT $smtpd_recipient_restrictions にマップを指定します。
CHECK_COMPAT △? restriction class 機能を使うことでできるかもしれません。 FAQ の どのユーザが サイト外にメールを送信できるかを制限したい の項も参考になるかも 知れません。また、20000530 版以降に組み込まれたコンテンツフィルタ を利用すれば、おそらくほとんどの制限が可能になるでしょう。 詳しくは FILTER_README を参照して下さい。


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