POSTALIAS(1) POSTALIAS(1)
名前
postalias - Postfix エイリアスデータベース保守
書式
postalias [-Nfinoprsvw] [-c config_dir] [-d key] [-q key]
[file_type:]file_name ...
解説
postalias(1) コマンドは 1つ以上の Postfix エイリアスデータベースを作 成
し たり問い合わせたり、存在するものを更新します。入力や出力ファイル形式
は Sendmail バージョン 8 互換であり、NIS のエイリアスマップとして適して
いるものが求められます。
結果のファイルが存在しなければ、group および other の読み込みパーミショ
ンが元となるファイルと同じファイルが作成されます。
データベースの更新中はシグナル送信は遅延されます。また、データベース を
見 に来たプログラムを驚かせないために、排他的 Advisory ロックがデータベ
ース全体にかけられます。
Postfix エイリアス入力ファイルの書式は aliases(5) に記述されています。
デフォルトでは大文字・小文字の区別をせずに検索するために、検索キーは 小
文 字にマッピングされています; Postfix 2.3では btree: や dbm:、hash: の
ように検索キーの文字種が固定された文字列となるテーブルでのみ、小文字 へ
の た た み込みがおこなわれます。それより前のバージョンでは、regexp: や
pcre: のように検索フィールドが大文字・小文字両方の文字列にマッチでき る
テー ブ ル で あっ て も、 検索キーのたたみ込みがおこなわれます。そのた
め、$number 置換で情報が失われてしまいます。
オプション:
-c config_dir
デフォルトの設定ディレクトリの代わりに、指定されたディレクトリの
main.cf 設定ファイルを読みます。
-d key 指定されたマップから key を検索し、マップ毎に一つのエントリを削
除します。要求された情報が見つかると、終了ステータスは 0 にな り
ます。
- というキーの値が指定されると、プログラムは標準入力ストリームか
ら値を読みます。少なくとも一つの要求されたキーが見つかると、終了
ステータスは 0 になります。
-f テーブルの作成時や検索時に検索キーを小文字にしません。
-i 増加モード。エントリを標準入力から読み込み、存在するデータベース
は削除しません。デフォルトでは、postalias(1) は file_name の
エントリから新しいデータベースを作成します。
-N 検索キーや値の終わりのヌル文字を含みます。デフォルトでは postal-
ias(1) はホストのオペレーティングシステムのデフォルトと同じよ う
にします。
-n 検 索 キーや 値 の終わりのヌル文字を含みません。デフォルトでは
postalias(1) はホストのオペレーティングシステムのデフォルトと 同
じようにします。
-o non-root な入力ファイルを処理する際に、root 権限で処理します。デ
フォルトでは、postalias(1) はルート権限を落とし、代わりに元と な
るファイルの所有者として実行します。
-p 新しいファイルを作る際に、入力ファイルからファイルのアクセス権限
を継承しません。かわりに新しいファイルをデフォルトのアクセス権限
(モード 0644) で作成します。
-q key 指定されたマップで key を検索し、はじめに見つかった値を標準出力
に書き出します。要求された情報が見つかると、終了ステータス は 0
になります。
キ ーの値として - が指定されると、プログラムは標準入力ストリーム
からキーの値を読み込み、見つかったキーそれぞれ に 対 し て key:
value を1行ずつ書き出します。少なくとも一つの要求されたキーが見
つかると、終了ステータスは 0 になります。
-r テーブルの更新時に、存在するエントリを更新しようとすることに何も
言わず、更新します。
-s デー タ ベー スの要素をすべて取り出して、それぞれの要素に対して
key: value の出力を1行ずつ書き出します。要素はデータベースの順に
表示され、必ずしも元の入力順とはなりません。
-v デバッグ目的の冗長ログモードを使います。-v オプションを複数指定
すると、ソフトウェアは冗長度を増します。
-w テーブルの更新時に、重複したエントリを警告しません; 静かにそれを
無視します。
引数:
file_type
デー タベースの形式。サポートされている形式を知るには、"postconf
-m" コマンドを使います。
postalias(1) コマンドはサポートされたどのファイル形式でも検索 で
きますが、以下のファイル形式しか生成することができません:
btree 出力は file_name.db という名前の btreeファイルです。こ れ
は db データベースをサポートしているシステムで使えます。
cdb 出力は file_name.cdb という名前の単一ファイルです。これは
cdb データベースをサポートしているシステムで使えます。
dbm 出力は file_name.pag と file_name.dir という名前の 2つの
ファイルから構成されます。これは dbm データベースをサポー
トしているシステムで使えます。
hash 出力は file_name.db という名前のハッシュファイルです。こ
れは db データベースをサポートしているシステムで使 え
ます。
sdbm 出力は file_name.pag と file_name.dir という名前の 2つの
ファイルから構成されます。これは sdbm データベー ス を サ
ポートしているシステムで使えます。
インストールされた Postfix がサポートできるデータベースの形式 を
見つけるには、postconf -m コマンドを使ってください。
file_type が指定されないと、ソフトウェアは default_database_type
設定パラメータで指定されたデータベースタイプを使います。このパラ
メータのデフォルト値はホストの環境に依存します。
file_name
データベース作成時の元となるエイリアスデータベースのファイル名。
診断
問題は標準エラーストリームと syslogd(8) に記録されます。出力がなけれ ば
問 題がなかったことを示します。重複エントリはスキップし、フラグを立てて
警告します。
postalias(1) は(postalias -q 検索の成功も含めて)実行に成功すると終了ス
テータス 0 で終わり、失敗すると 0 以外の終了ステータスで終わります。
環境変数
MAIL_CONFIG
Postfix 設定ファイルのディレクトリ。
MAIL_VERBOSE
デバッグ目的の冗長ログモードを有効にします。
設定パラメータ
以下の main.cf パラメータは特にこのプログラムに関連があります。
以 下 の 文 章 はパラメータの概要のみを提供します。例を含む詳細は post-
conf(5) を参照してください。
alias_database ('postconf -d' の出力を参照)
"newaliases" や "sendmail -bi" で更新する、 local(8) 配送のた め
のエイリアスデータベース。
config_directory ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix main.cf および master.cf 設定ファイルのデフォルトの場所
。
berkeley_db_create_buffer_size (16777216)
Berkeley DB hash もしくは btree テーブルを作成するプログラムのた
めの、テーブルごとの I/O バッファサイズ。
berkeley_db_read_buffer_size (131072)
Berkeley DB hash もしくは btree テーブルを読み込むプログラムのた
めの、テーブルごとの I/O バッファサイズ。
default_database_type ('postconf -d' の出力を参照)
newaliases(1) や postalias(1)、postmap(1) コマンドで使う、デフォ
ルトのデータベース形式。
syslog_facility (mail)
Postfix ロギングの syslog facility 名。
syslog_name (postfix)
例 えば "smtpd" が "postfix/smtpd" となるようにするために syslog
レコードのプロセス名の前に付けられるメールシステムの名前。
標準
RFC 822 (ARPA Internet Text Messages)
関連項目
aliases(5), エイリアスデータベース入力ファイルの書式。
local(8), Postfix ローカル配送エージェント。
postconf(1), サポートされたデータベースの種類。
postconf(5), 設定パラメータ。
postmap(1), 検索テーブルの生成/更新/検索。
newaliases(1), Sendmail 互換インターフェース。
sendmail(1) sendmail との互換インターフェース。
README ファイル
DATABASE_README, Postfix データベース入門
ライセンス
The Secure Mailer license はこのソフトウェアと一緒に配布されなければ い
けません。
作者
Wietse Venema
IBM T.J. Watson Research
P.O. Box 704
Yorktown Heights, NY 10598, USA
POSTALIAS(1)