POSTFIX(1) POSTFIX(1)
名前
postfix - Postfix コントロールプログラム
書式
postfix [-Dv] [-c config_dir] command
解説
こ の コ マンドはスーパーユーザ専用です。メールを送信するには、 Postfix
sendmail(1) コマンドを使ってください。
postfix(1) コマンドはPostfixメールシステムの動作を制御します: master(8)
デーモンの起動及び停止、状態チェック、その他の保守など。
postfix(1) コマンドは標準化された環境を構築し、実際に動作させるために
postfix-script シェルスクリプトを起動します。
次のコマンドが実装されています。
check 不正なディレクトリ/ファイルの所有権やパーミションを警告し、見 つ
からないディレクトリを作成します。
start Postfix メールシステムを起動します。これは上で述べた設定チェック
も実行します。
stop Postfixメールシステムを正しい手順で停止します。可能であれば、 動
作中のプロセスは最初の適切なタイミングで停止します。
注意: 設定変更後に Postfix メールシステムを更新するため に は 、
start と stop を連続して使わないでください。代わりに reload コマ
ンドを使います。
abort Postfix メールシステムを緊急停止します。動作中のプロセスはすぐに
停止するようなシグナルを受けます。
flush 配送の強制: 遅延したメールキュー内の全てのメッセージを配送しよう
と試みます。通常は遅延メールの配送試行は定期的に起こり、それぞれ
の試行の失敗後は時間間隔を倍にします。
警 告: 配送できないメールを頻繁に flush すると、他の全てのメール
の配送パフォーマンスが落ちることになります。
reload 設定ファイルを再び読み込みます。動作中のプロセスは早期の適切な時
に停止が許されます。
set-permissions [name=value ...]
Postfix 関連ファイルおよびディレクトリの所有者とパーミションを
postfix-files ファイルで指定されているように設定します。
特定の main.cf 設定パラメータを上書きしたり 更 新 す る に は 、
name=value を指定します。例えば、これはすでにインストールされて
いる Postfix システムに対して mail_owner や setgid_group の設 定
を変更するために使います。
この機能はPostfix 2.1以降で使えま す。Postfix 2.0 以 前 で は、
"/etc/postfix/post-install set-permissions" を使ってください。
upgrade-configuration [name=value ...]
Postfix が動作するために必要な情報で main.cf および master.cf フ
ァイルを更新します: サービスの追加および更新、設定パラメータの追
加および更新。
特 定 の main.cf 設 定 パラメータを上書きしたり更新するには、
name=value を指定します。
この機能はPostfix 2.1以降で使えま す。Postfix 2.0 以 前 で は、
"/etc/postfix/post-install upgrade-configuration" を使ってくださ
い。
次のオプションが実装されています:
-c config_dir
デフォルトの設定ディレクトリの代わりに、指定されたディレクトリの
main.cf や master.cf 設定ファイルを読みます。同一ホスト内で複数
の Postfix インターフェースを区別するためにこれを使います。
-D (postfix start での利用のみ)
debugger_command 設定パラメータで指定されたデバッガの制御下で そ
れぞれの Postfix デーモンを走らせます。
-v デバッグ目的の冗長ログモードを使用します。-v オプションを複数指
定すると、冗長度が増します。
環境変数
postfix(1) コマンドは postfix-script ファイルを実行する前に、次の環境変
数をexportします:
MAIL_CONFIG
-c コマンドラインオプションがある場合にこれがセットされます。
MAIL_VERBOSE
-v コマンドラインオプションがある場合にこれがセットされます。
MAIL_DEBUG
-D コマンドラインオプションがある場合にこれがセットされます。
設定パラメータ
次の main.cf 設定パラメータが同名のプロセス環境変数として渡されます:
command_directory ('postconf -d' の出力を参照)
全ての Postfix 管理コマンドの場所。
daemon_directory ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix サポートプログラムおよび Postfix デーモンプログラムがあ
るディレクトリ。
config_directory ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix main.cf および master.cf 設定ファイルのデフォルトの場 所
。
queue_directory ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix トップレベルキューディレクトリの場所。
mail_owner (postfix)
Postfix キューおよびほとんどの Postfix デーモンプロセスを所有す
る UNIX システムアカウント。
setgid_group (postdrop)
set-gid Postfix コマンドおよびグループ書き込み可能な Postfix デ
ィレクトリを所有するグループ。
sendmail_path ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix sendmail(1) コマンドの場所を指定している Sendmail 互換機
能。
newaliases_path ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix newaliases(1) コマンドの場所を指定している Sendmail 互換
機能。
mailq_patk ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix mailq(1) コマンドがインストールされた場所を指定している
Sendmail 互換機能。
html_directory ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix サブシステムや機能に関する構築方法や設定方法、操作方法が
書かれた Postfix HTML ファイルの場所。
manpage_directory ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix マニュアルページがインストールされた場所。
readme_directory ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix サブシステムや機能に関する構築方法や設定方法、操作方法が
書かれた Postfix README ファイルの場所。
その他の設定パラメータ:
config_directory ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix main.cf および master.cf 設定ファイルのデフォルトの場 所
。
import_environment ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix プロセスが非 Postfix 親プロセスから受け取る環境変数のリ
スト。
syslog_facility (mail)
Postfix ロギングの syslog facility 名。
syslog_name (postfix)
例えば "smtpd" が "postfix/smtpd" となるようにするために syslog
レコードのプロセス名の前に付けられるメールシステムの名前。
ファイル
/etc/postfix/main.cf, Postfix 設定パラメータ
/etc/postfix/master.cf, Postfix デーモンプロセス
/etc/postfix/postfix-files, ファイル/ディレクトリパーミション
/etc/postfix/postfix-script, 管理用コマンド
/etc/postfix/post-install, インストール後の設定
関連項目
コマンド:
postalias(1), エイリアスデータベースの生成/更新/検索
postcat(1), Postfix キューファイルの調査
postconf(1), Postfix 設定ユーティリティ
postfix(1), Postfix 制御プログラム
postkick(1), Postfix デーモンの起動
postlock(1), Postfix 互換ロック
postlog(1), Postfix 互換ロギング
postmap(1), Postfix 検索テーブル管理
postqueue(1), Postfix メールキュー制御
postsuper(1), Postfix 管理
mailq(1), Sendmail 互換インターフェース
newaliases(1), Sendmail 互換インターフェース
sendmail(1), Sendmail 互換インターフェース
Postfix 設定:
bounce(5), Postfixバウンスメッセージのテンプレート
master(5), Postfix master.cf ファイルの文法
postconf(5), Postfix main.cf ファイルの文法
テーブル駆動メカニズム:
access(5), Postfix SMTP アクセス制御テーブル
aliases(5), Postfix エイリアスデータベース
canonical(5), Postfix入力アドレスの書き換え
generic(5), Postfix出力アドレスの書き換え
header_checks(5), body_checks(5), Postfixコンテンツ検査
relocated(5), 異動したユーザ
transport(5), Postfix ルーティングテーブル
virtual(5), Postfix バーチャルエイリアシング
テーブル検索メカニズム:
cidr_table(5), CIDRパターンを値と関連づける
ldap_table(5), Postfix LDAP クライアント
mysql_table(5), Postfix MYSQL クライアント
nisplus_table(5), Postfix NIS+ クライアント
pcre_table(5), PCREパターンを値と関連づける
pgsql_table(5), Postfix PostgreSQL クライアント
regexp_table(5), POSIX正規表現パターンを値と関連づける
tcp_table(5), Postfix クライアント-サーバテーブル検索
デーモンプロセス:
anvil(8), Postfix 接続数/速度制限
bounce(8), defer(8), trace(8), 配送状態レポート
cleanup(8), メッセージのカノニカル化およびキュー投入
discard(8), Postfix 破棄配送エージェント
error(8), Postfix エラー配送エージェント
flush(8), Postfix 高速 ETRN サービス
local(8), Postfix ローカル配送エージェント
master(8), Postfix マスターデーモン
oqmgr(8), 古い Postfix キューマネージャ
pickup(8), Postfix ローカルメール収集
pipe(8), 非 Postfix コマンドへのメールの配送
proxymap(8), Postfix 検索テーブルプロキシサーバ
qmgr(8), Postfix キューマネージャ
qmqpd(8), Postfix QMQP サーバ
scache(8), Postfix接続キャッシュマネージャ
showq(8), Postfix メールキューのリストアップ
smtp(8), lmtp(8), Postfix SMTP+LMTP クライアント
smtpd(8), Postfix SMTP サーバ
spawn(8), 非 Postfix なサーバの起動
tlsmgr(8), Postfix TLSキャッシュおよび乱数マネージャ
trivial-rewrite(8), Postfix アドレス書き換え
verify(8), Postfix アドレス検査
virtual(8), Postfix バーチャル配送エージェント
その他:
syslogd(8), システムロギング
README ファイル
OVERVIEW, Postfix コマンドおよびプロセスの概要
BASIC_CONFIGURATION_README, Postfix 基本設定
ADDRESS_REWRITING_README, Postfix アドレス書き換え
SMTPD_ACCESS_README, SMTP リレー/アクセス制御
CONTENT_INSPECTION_README, Postfix コンテンツ検査
QSHAPE_README, Postfix キュー解析
ライセンス
The Secure Mailer license はこのソフトウェアと一緒に配布されなければい
けません。
作者
Wietse Venema
IBM T.J. Watson Research
P.O. Box 704
Yorktown Heights, NY 10598, USA
元々のSASLサポート:
Till Franke
SuSE Rhein/Main AG
65760 Eschborn, Germany
元々のLMTPサポート:
Philip A. Prindeville
Mirapoint, Inc.
USA.
Amos Gouaux
University of Texas at Dallas
P.O. Box 830688, MC34
Richardson, TX 75083, USA
POSTFIX(1)